◎エイタクムスの射程は約300キロ。ウクライナ領内の比較的安全なエリアからロシア領内の基地や部隊を攻撃できるようになる。
ロシア大統領府のペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は18日、ウクライナがロシア領内に向けて米国製の長距離兵器を発射すれば、「この戦争はニューフェイズに突入する」と警告した。
ペスコフ氏は定例会見で、「米政府がそれを承認すれば、もしそのような許可が実際に下されたのであれば、ウクライナ戦争は新たなラウンドに入ることを意味する」と語った。
ABCニュースは17日、複数のホワイトハウス高官の話しとして、「バイデン(Joe Biden)大統領がウクライナに供与した長距離地対地ミサイル・エイタクムスでロシア領内を攻撃することを許可した」と報じた。
エイタクムスの射程は約300キロ。ウクライナ領内の比較的安全なエリアからロシア領内の基地や部隊を攻撃できるようになる。
AP通信は18日、ウクライナ政府高官の話しとして、「18日朝の時点で、自軍はロシア領内の部隊に対し、エイタクムスを使用していない」と報じた。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領を含むウクライナ政府高官らは何カ月も前から、このようなミサイルによるロシア領内への攻撃を許可するよう西側に求めてきた。
ウクライナ軍は以前、ウクライナ領内の占領下にあるロシア軍基地を攻撃するためにエイタクムスを使用したことがある。
ペスコフ氏は記者団に対し、「この方針転換はバイデン政権が退任までの数カ月間、火に油を注ぎ続けるつもりであることを示す明確なシグナルである」と述べた。
またペスコフ氏は「ロシアはこの動きを、米国がこの戦争をめぐる緊張をエスカレートさせ続けるための手段と見ている」と強調した。
メドベージェフ(Dmitry Medvedev)安全保障会議副議長は以前、ロシア領内に米国製兵器が撃ちこまれれば、「誰も見たことのない、新時代の戦争が幕を開けることになる」と警告していた。