◎自動小銃などで武装した少なくとも4人の実行犯はホール内で銃を乱射し、火を放ったとされる。
ロシア当局は27日、首都モスクワのコンサートホールで先週発生した銃乱射事件の犠牲者が143人に増加し、80人が入院中であると明らかにした。
イスラム国(ISIS)系組織のひとつであるIS-K(イスラム国ホラサン)とみられる武装集団は22日の現地時間20時頃、モスクワ郊外の複合施設クロッカスシティホール内にあるコンサートホールを襲撃。爆発物も使用したとされる。
ロシア国内で発生した過激派によるテロ事件としては過去20年で最も多くの死者を出した。
自動小銃などで武装した少なくとも4人の実行犯はホール内で銃を乱射し、火を放ったとされる。
米政府はISISがテロを主導した情報を持っていると発表。フランス政府も同様の情報があるとしている。
ロシア非常事態省が公表した最新情報に負傷者数は記載されていないが、保健省の報道官は27日未明、「80人が入院中、205人が治療を受けている」と明らかにした。
連邦保安局(FSB)は事件の翌日、4人の実行犯を含む11人を逮捕したと発表。タジキスタン人と特定された4人は24日に出廷した。
4人には殴られたようなアザがあり、うち1人はほとんど意識がないように見えた。
米政府はISISによるテロ攻撃の懸念が高まっているとして、秘密裏にロシアと情報を共有していたとされる。
ISISを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通信は22日遅くに犯行声明を掲載したものの、プーチン(Vladimir Putin)大統領はウクライナがテロ攻撃に関与した可能性があると示唆している。
IS-Kは銃撃の様子を撮影したとされる動画を公開している。
IS-Kはアフガニスタンに拠点を置くスンニ派過激派のひとつ。シーア派だけでなくタリバン暫定政権にも攻撃を仕掛けており、多くの市民が自爆テロや襲撃に巻き込まれている。