◎プーチン政権は近年、退廃的とされる西側のリベラリズムに対抗するため、いわゆる「伝統的価値観」を守る法律を次々に導入している。
ロシア、首都モスクワ、LGBTQ+の権利拡充を求めるデモ(AP通信)

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領が23日、性別移行が合法である国の市民による子供の養子縁組を禁止する法案に署名した。

またプーチン氏は子供を持たないことを奨励する情報の拡散を禁止する法案にも署名した。

上下両院はこの法案を全会一致で可決。ホルモン療法や性別適合手術等による身体的な性別移行に反対するプーチン氏の署名で成立した。

この養子縁組禁止令は西欧の敵対国、オーストラリア、アルゼンチン、カナダなど、少なくとも15カ国に適用される。

米国市民によるロシアの子供の養子縁組は2012年に禁止された。

子供を作らないよう宣伝することを禁止する法案は違反者に最高500万ルーブル(約780万円)の罰金を科すとしている。その適用範囲は曖昧で、子供を持つことに反対するだけで罪に問われる可能性がある。

法案の共同提出者であるウォロジン(Vyacheslav Volodin)下院議長はテレグラムに声明を投稿。「ロシアの大切な子供が性別移行を認める国に送られることを防ぐ素晴らしい法律が公布されることを嬉しく思う」と書き込んだ。

またウォロジン氏は「西側諸国がロシアの人口減少を促し、弱体化させるために子供を持つことに反対するプロパガンダを拡散している」と主張した。

プーチン政権は近年、退廃的とされる西側のリベラリズムに対抗するため、いわゆる「伝統的価値観」を守る法律を次々に導入している。

昨年には性転換を禁止。最高裁判所はLGBTQ+(政敵少数者)を支持する団体や運動を過激派に指定した。

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