モルドバ議会、与党PASのムンテアヌ氏を新首相に選出
PASは先月末の議会選挙で単独過半数を確保。親ロシア派の野党を圧倒した。
.jpg)
モルドバ議会(一院制、定数101)は10月31日、親EU派の与党「行動と連帯(PAS)」のムンテアヌ(Alexandru Munteanu、61歳)氏を新首相に選出した。
地元メディアによると、採決の結果、ムンテアヌ氏は議員55人の支持を得たという。
ムンテアヌ氏は投票に先立ち、演説で「我々はモルドバをEUに導く政府となる、またとない機会を得た」と語った。
PASは先月末の議会選挙で単独過半数を確保。親ロシア派の野党を圧倒した。
ムンテアヌ氏は親ロシア派の支配下にある沿ドニエストルとの紛争解決に向けた取り組みにも言及。対話の重要性を強調した。
2022年2月にシロアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、モルドバとロシアの関係は急速に悪化した。
モルドバはウクライナの隣国であり、旧ソ連構成国の一員でもあるため、地政学的に大きな影響を受ける立場にある。
モルドバは大量のウクライナ避難民を受け入れるなど、ウクライナ支援の姿勢を鮮明にした。
加えて、親欧米的な立場をとるサンドゥ(Maia Sandu)大統領の政権下で、モルドバはEUへの統合を加速させ、2022年6月にはウクライナとともにEU加盟候補国に認定された。
この動きはロシアからの強い反発を招き、両国関係はさらに悪化した。
モルドバ国内には親ロシア派勢力が一定数存在し、特に沿ドニエストル地域ではロシア軍が駐留を続けている。
ロシアはこの地域を通じて間接的な影響力を維持しており、ウクライナ戦争の長期化に伴い、モルドバ政府は安全保障上の脅威を強く意識するようになった。
2023年にはロシアによる政権転覆計画の存在が報じられ、モルドバ政府は対ロシア的な警戒を一層強めた。
