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ミラノ・コルティナ冬季五輪、開会式のリハーサル進む

リハーサルはミラノ市内のスタジアム、サン・シーロの近くに設けられた巨大なテントで行われており、約1200人のボランティアが開会式での動きを確認している。
2026年1月24日/イタリア、ミラノ、ミラノ・コルティーナ2026冬季オリンピック開会式のリハーサルの様子(AP通信)

イタリア・ミラノで来月開幕するミラノ・コルティナ冬季オリンピックを前に、開会式の大規模なリハーサルが進んでいる。リハーサルはミラノ市内のスタジアム、サン・シーロの近くに設けられた巨大なテントで行われており、約1200人のボランティアが開会式での動きを確認している。

このテント内では、ミラノ・スカラ座のアカデミーでクラシック舞踊を学んだ若いダンサーたちが、ノルディックウォークをする人々やフィギュアスケーターの動きを模した振付を練習している。ボランティアにはダンサーだけでなく、肉屋の店主や地元企業の幹部、88歳の女性など多様な市民が参加し、昨年11月からリハーサルを重ねてきた。

演出を担当するのはこれまで16回のオリンピック・パラリンピック開閉会式を手掛けてきたベテランのクリエイティブディレクター、マルコ・バリッチ(Marco Balich)氏だ。バリッチ氏は準備を「非常に複雑だが、興奮に満ちた旅」と表現し、「オリンピックのような大イベントの一部になる喜びを感じてほしい」と語っている。

今年の開会式のテーマは「ハーモニー(Harmony)」。国際社会がウクライナやガザ、イランなどでの紛争に揺れる中、平和と調和の重要性を強調する狙いが込められている。古代ギリシャに起源を持ち、1990年代に近代オリンピックで復活した「オリンピック休戦(Olympic Truce)」の精神を再び掲げることで、スポーツを通した対話と平和促進を象徴するとしている。

リハーサルでは本番で披露される演目の全体像が徐々に固まってきており、約6万人の観客がサン・シーロでその瞬間を見守る予定だ。バンス(JD Vance)米国副大統領率いる米国代表団も出席する見込みで、全世界のテレビ視聴者も公式中継を通じて視聴することになる。

開会式ではプロトコルに則ったオリンピック旗の掲揚や選手団の行進、そして五輪聖火の点火といった伝統的なセレモニーが行われる。特筆すべきは五輪聖火がミラノとコルティナの2か所で同時に灯されることで、これは2026年大会が史上最も地理的に広範囲で開催されることを象徴している。ミラノ側はサン・シーロから約4キロ離れたアルコ・デッラ・パーチェに、コルティナ側は約400キロ離れた中心部に設置され、両地点で火が灯される予定だ。

2地点での点火に伴い、選手団行進はサン・シーロだけでなく、コルティナを含む複数の会場から中継される方式が採られる。特に遠隔地での競技参加者も含めるため、パレードの模様は各地からライブ映像で結び、会場全体に五輪の精神を伝える構成となっている。

テント内には約1400着の衣装が並び、明るい色彩のものから細部にこだわった衣装まで多彩な演出を支える。また仕立て師たちは本番に向けて最終調整に余念がない。出演者向けには「Your Happy Moment Starts Now! Welcome!(あなたの幸せな瞬間が今始まる!ようこそ!)」と書かれたサインが掲げられ、緊張感と期待が高まっている。

ボランティアの1人はアテネ五輪(2004年)開会式の出演経験があり、今回も参加を決めた。「スタジアムに入る直前の瞬間は一生の思い出になるだろう」と語り、感慨深い表情を見せている。

ミラノ・コルティナ冬季五輪は2月6日に開幕し、22日まで続く。開会式はその幕開けを飾る最大の見せ場として、世界中の視線を集めることになるだろう。

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