ミラノ・コルティナ冬季五輪開幕、異例の広域式典で幕開け
式典は伝統的な1地点開催ではなく、ミラノのサンシーロ競技場を中心に、コルティナ・ダンペッツォ、リヴィーニョ、プレダッツォの4地点で同時進行する異例の形式で開催された。
.jpg)
2026年2月6日夜(日本時間7日未明)、イタリアで第25回冬季五輪ミラノ・コルティナ2026大会の開会式が行われ、マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領が公式に大会の開幕を宣言した。式典は伝統的な1地点開催ではなく、ミラノのサンシーロ競技場を中心に、コルティナ・ダンペッツォ、リヴィーニョ、プレダッツォの4地点で同時進行する異例の形式で開催された。これはオリンピック史上初めての試みであり、都市と山岳地域を結ぶ広域開催の象徴となった。
開会式は「調和(Armonia)」をテーマに、イタリアの文化と創造性を象徴する多彩なプログラムで構成された。会場では絵画や音楽の伝統を受け継ぐ演出が随所にちりばめられ、国際的なアーティストや地元出身のスターがパフォーマンスを披露した。特に世界的な歌手マライア・キャリー(Mariah Carey)さんがイタリアの名曲「Volare」を歌唱し、観客の熱狂を誘ったほか、テノール歌手アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)さんらが登場した。
式典のハイライトとして、ミラノとコルティナの2都市で同時に聖火が点火された。ミラノではアルペンスキーの英雄であるアルベルト・トンバ(Alberto Tomba)さんとデボラ・コンパニョーニ(Deborah Compagnoni)さん、コルティナでは現役のオリンピック金メダリスト、ソフィア・ゴッジャ(Sofia Goggia)選手が聖火台に火を灯した。この2つの炎は大会期間中、競技地それぞれで点灯を続ける予定であり、革新的な開催形態を象徴するものとなった。
各国選手団の入場行進も4地点に分かれて行われ、90以上の国・地域から参加した選手たちが、それぞれの会場で紹介された。ミラノのサンシーロでは一部のチームが欠席するなど地理的な広がりが影響したが、パレードは華やかに進行した。組織委員会は競技開催地を分散することで持続可能性と地域経済の活性化を図る狙いを示している。
式典は国際オリンピック委員会(IOC)のコベントリー(Kirsty Coventry)会長によるスピーチで締めくくられた。コベントリー氏は「これから始まる2週間は、人類のつながりと勇気を示す機会であり、我々すべてがその証人となる」と語り、選手や観衆に平和と共感の重要性を訴えた。
一方で式典はすべてが順風満帆だったわけではない。ミラノの会場周辺では交通規制や抗議活動が断続的に発生し、米国副大統領の登場時に一部観客からブーイングが起きるなど政治的な緊張の影も見えた。また、北部の山岳地帯では建設遅延など大会準備の混乱を伝える報道もあった。
競技はこれに先立ち一部種目が始まり、カーリングやスケートなどが進行中である。大会は2月22日まで続き、世界中から集う約2900人の選手が金メダルを目指して戦う。開催国イタリアはホームで多くのメダル獲得を期待しており、特にフィギュアスケートやアルペンスキーといった種目での活躍が注目されている。
