◎西アフリカ沖に位置するカナリア諸島は西欧への足がかりとして何十年も利用されてきた。
アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島に今年上陸した移民が3万2000人を超えた。国境警備当局が6日、明らかにした。
西アフリカ沖に位置するカナリア諸島は西欧への足がかりとして何十年も利用されてきた。
アフリカ北西部からカナリア諸島を目指す亡命ルートは世界で最も危険な航路のひとつとされ、数えきれないほどの命を奪ってきた。
その多くがセネガルを出港。ガンビア、モーリタニア、モロッコ、西サハラから出港する船もいる。
スペイン内務省によると、今年1月1日~11月5日までに移民少なくとも3万2029人がカナリア諸島に上陸したという。
これは2006年の移民危機で記録した約3万1700人を上回る数字である。
セネガルの人身売買組織は西欧でより良い機会を求める若者たちをボロボロの漁船やボートに詰め込み、約30万CFAフラン(約7万3000円)を請求する。
セネガルとカナリア諸島の距離は約1600キロ。到着には1週間ほどかかり、その途中で多くが難破したり、行方不明になったりする。
スペイン中央政府はセネガルに40人近くの警察官を派遣し、4隻のボート、ヘリコプター、航空機を配備。地元当局と連携して同国の海岸を監視し、人身売買組織を取り締まっている。