▽1回目の採決で過半数の支持を得られなかったメルツ氏に笑顔はなかった。
(ドイツ通信社/AP通信).jpg)
ドイツ議会下院(定数630)は6日、2回目の採決でキリスト教民主同盟(CDU)でメルツ(Friedrich Merz)党首を首相に選出した。
1回目の採決で過半数の支持を得られなかったメルツ氏に笑顔はなかった。
中道左派・社会民主党(SPD)は先月末、CDUとの連立を承認。両党の議席は328議席である。
多くのメディアが前代未聞の落選について、「後の政権運営に不安と疑念を抱かせる結果となった」と報じている。
CDUは2月の議会選で第一党に返り咲き、ショルツ(Olaf Scholz)前首相率いるSPDとの連立で合意した。
メルツ氏は経済成長を促し、防衛費を増やし、移民に対する厳しいアプローチをとり、ドイツを近代化させると公言している。
現地メディアによると、1回目の採決でメルツ氏を支持した議員は310人。18人が反対に投じたとされる。
一部の保守系議員はメルツ氏が憲法で定められた債務上限を緩和したことを批判していた。
ドイツ通信社(dpa)はSPD関係者の話しとして、「1月の反移民法案が影響した」と伝えている。
CDUは1月、極右政党ドイツのための選択肢(AfD)と連携して反移民法案を国会に提出し、物議を醸した。ベルリンではその後、CDUに抗議する大規模集会が行われた。
メルツ氏は議会選を前に、この法案がもたらした混乱の火消しに追われ、一部のCDU支持者から懸念の声が高まる中、AfDと連立を組んだり、協力関係を構築することは絶対にないと言明した。
主要政党は「ファイアウォール」と呼ばれる政策を共有し、極右との連携を拒んでいる。
ファイアウオールは「主流政党はAfDとのいかなる協力も排除する」というドイツ政界の長年のタブーを指す。
採決は無記名で行われるため、誰がメルツ氏に反対したかは分からない。
メルツ氏は2回目の採決で325票を獲得した。