ドイツ首相「極右政党AfDとの協力あり得ない」党内の意見に反発
メルツ氏の与党・キリスト教民主同盟(CDU)と社会民主党は多くの問題で意見の相違が目立ち、有権者を苛立たせている。
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ドイツのメルツ(Friedrich Merz)首相は20日、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」との協力を模索する党内の意見に反対し、連立パートナーである社会民主党との関係を維持すると強調した。
反移民・反イスラムを掲げるAfDは2月の連邦議会選挙で第2党に躍進。それ以降の世論調査でも同党の支持率は上昇を続けており、メルツ氏の連立政権と同等、あるいはそれを上回る結果も出ている。
一方、メルツ氏の与党・キリスト教民主同盟(CDU)と社会民主党は多くの問題で意見の相違が目立ち、有権者を苛立たせている。
全国16州のうち5州で来年州議会選挙が行われる予定だ。旧東ドイツ地域2州を含むこれらの選挙区ではAfDが特に強く、首位獲得の可能性が高い。
CDUは2018年の党大会で、極右・極左との連立や協力を拒否する党則を採択した。
主要政党は「ファイアウォール」と呼ばれる政策を共有し、極右との連携を拒んでいる。
ファイアウオールは「主流政党はAfDとのいかなる協力も排除する」というドイツ政界の長年のタブーを指す。
CDUの一部の議員は社会民主党との対立が続く中、AfDに対し、より宥和的なアプローチを取るよう求めている。
メルツ氏はこれに反対し、党則を変えるつもりも、極右や極左と協力するつもりもないと述べた。
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コラム:極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」とは
AfDは短期間でドイツ政治の主流に強い影響を与えるに至ったが、党内部の極右的傾向や公的監視、社会的批判といった制約も抱えてい