スペイン首都で野党集会、数千人が解散総選挙要求

デモ隊はサンチェス氏率いる社会労働党(PSOE)が複数の汚職に関与していると主張。解散総選挙を呼びかけた。
2025年6月8日/スペイン、首都マドリード、サンチェス政権に抗議するデモ(AP通信)

スペインの首都マドリードで8日、政府与党に抗議する野党集会が開かれ、数千人がサンチェス(Pedro Sánchez)首相に辞任を求めた。

デモ隊はサンチェス氏率いる社会労働党(PSOE)が複数の汚職に関与していると主張。解散総選挙を呼びかけた。

中道右派・民衆党(PP)はPSOEの議員が国家警察に宛てた訓示で、野党がサンチェス氏らに対する中傷キャンペーンを展開していると発言したことを受け、この集会を呼びかけた。

PPを支持する民間の弁護士会は昨年、サンチェス氏の妻であるゴメス(Begoña Gómez)夫人がその地位を利用してビジネス取引に影響を与えたと告発。マドリード地裁はこの訴状を受理した。

サンチェス氏は一部メディアと右派政党が偽りの情報に基づき、妻を攻撃し、連立政権を中傷していると非難している。

PPの党首は8日の集会で、「政府はこの件に関して、マフィア的な手法を行使している」と主張。サンチェス氏が「複数の腐敗スキャンダルの中心にいる」と述べた。

スペインの数千人のジャーナリストは昨年4月、ゴメス夫人への司法調査に反対する請願書に署名。「一部メディアと極右による政府与党、首相夫人への攻撃は、不正な手段によって政権を覆そうとするひどい試みのひとつである」と主張した。

サンチェス氏は53歳。2018年から連立政権を率いている。

ゴメス夫人は50歳。公職には就いておらず、政治的な活動も控えめである。

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