▽多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
セルビアの各都市で27日、北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモ行進や集会が行われ、数千人の学生が政府与党に抗議した。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。国内の大学の大半がこの事故以来、閉鎖されている。
多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口で11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
デモ隊は事故が発生した午前11時52分に各地の幹線道路で15人の犠牲者のために15分間黙とうを捧げた。
ベオグラードでは2000人以上の学生が教育省に向かって行進した。学生ユニオンの代表は演説で、「我々は与党支持者による嫌がらせや暴力、政府主導の偽情報拡散にウンザリしている」と語った。
ノビサドのデモ隊は公共放送RTSがデモ参加者を「反政権派」と呼んだことに抗議した。
ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領寄りのRTSはこの抗議デモを「外国の諜報機関によるハイブリッド攻撃」などと評している。
セルビアは正式にEU加盟を目指しているが、ブチッチ氏は民主主義を推進するどころか、むしろ抑制しているという非難に直面している。
野党は広範な汚職とずさんな改修計画が崩落事故を招いたとして、ブチッチ氏に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。
地元の独立系メディアは情報筋の話しとして、「当時の政府高官は中国の国営企業から多額の賄賂を受け取り、その見返りにノビサドの駅改修を含む多くの巨大インフラ工事を任せていた」と伝えている。
政府はこの主張を否定。「国家転覆を画策する野党勢力が左翼メディアと結託して偽情報を流している」と非難している。
検察当局はこの事故に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を逮捕している。
隣国ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボでも27日、セルビアの大学生を応援するため、地元の学生数百人が集会を開いた。