英シナゴーグ襲撃、ISISに忠誠誓った容疑者の犯行、警察が発表
この事件は10月2日に発生。シナゴーグの外に集まっていた礼拝者の列に車が突っ込み、男(35歳)がナイフで礼拝者に襲い掛かった。
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英イングランド・マンチェスターのシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)で先週発生したテロ事件について、警察は8日、容疑者がイスラム国(ISIS)への忠誠を誓っていたと明らかにした。
この事件は10月2日に発生。シナゴーグの外に集まっていた礼拝者の列に車が突っ込み、男(35歳)がナイフで礼拝者に襲い掛かった。
マンチェスター警察この襲撃をテロと断定。対応した警察官が容疑者を射殺し、さらに別の容疑者6人を逮捕した。
この事件により2人が死亡、男性3人が重傷を負った。亡くなった2人のうち1人は警察官が発砲した銃弾が当たり、死亡した。
マンチェスター警察によると、容疑者は襲撃の数分前、警察の緊急ダイヤルに電話をかけ、「シナゴーグを襲撃する」と主張したという。
容疑者はレンプ事件で逮捕され、保釈中であった。
警察は容疑者が単独で事件を起こしたかを捜査中。テロの実行、準備、扇動の容疑で男3人と女3人を逮捕している。
この6人と容疑者がつながりがあるかは明らかになっていない。
2023年10月にガザ紛争が勃発して以降、イギリスでは反ユダヤ主義と反イスラム感情の双方が顕著に拡大している。背景には、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの先制攻撃と、それに対するイスラエルのガザ侵攻が国際的な議論を呼び、イギリス社会でも強い関心と分断を生んだことがある。
多文化社会であるイギリスでは、パレスチナ支持の抗議活動やイスラエル支持の集会が相次ぎ、それに伴って宗教・民族を背景にした対立や偏見が露出した。
SNSやメディアを通じて極端な主張が拡散され、ユダヤ人コミュニティやイスラム系住民に対するヘイトクライムも増加傾向にある。また、政治家や著名人の発言が火種となり、社会的緊張を高める場面も多い。政府は治安強化やヘイト対策を進めているが、根本的な対立構造の解消には至っていない。