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スロバキア首相暗殺未遂事件、72歳被告に懲役21年

フィツォ氏は24年5月、中部ハンドロバの市庁舎前で腹部を撃たれ、緊急搬送された。
2025年10月21日/スロバキア、中部バンスカービストリツァの裁判所前、フィツォ首相を銃撃したユライ・チントゥラ被告(AP通信)

スロバキア中部バンスカービストリツァの裁判所は21日、フィツォ(Robert Fico)首相暗殺未遂事件の裁判で、ユライ・チントゥラ(Juraj Cintula、72歳)被告に懲役21年の実刑判決を言い渡した。

フィツォ氏は24年5月、中部ハンドロバの市庁舎前で腹部を撃たれ、緊急搬送された。

被告はその場で逮捕され、殺人未遂罪で起訴。その後、検察はこれを取り下げ、テロ関連の罪で起訴した。

フィツォ氏は被弾後、バンスカービストリツァの病院に緊急搬送。5時間に及ぶ手術を受け、2日後にも2時間の手術を受けた。現在は回復している。

被告は捜査当局の取り調べに対し、テロ容疑を否認。フィツォ氏を痛めつけるつもりであったが、殺すつもりはなかったと主張した。

被告の弁護士は判決後、記者団に対し、「依頼人は控訴する可能性が非常に高い」と語った。

フィツォ氏は以前、これがローンオフェンダーによる襲撃であると「信じる理由はない」と述べ、「暗殺未遂の責任をリベラル派の野党とメディアにある」と主張した。

与党・スメルは23年9月の議会選(一院制、定数150)で第一党に躍進し、フィツォ氏を党首とする連立政権が発足した。

フィツォ氏はウクライナ支援を停止するなど、EUの親欧米派に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相と共にロシア寄りの姿勢を取っている。

フィツォ氏は復帰後、「一人の狂った人物による攻撃であると信じる理由はない」と述べ、「野党、リベラル派、メディアが政権を繰り返し誹謗中傷したことが暗殺未遂につながった」と述べていた。

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