英仏海峡横断できず、移民男性1人死亡 フランス

今年ドーバー海峡で死亡した移民は確認できているだけで18人となった。
フランス、北部パ・ド・カレー県の海岸(AP通信)

フランス北部パ・ド・カレー県からイギリスを目指してボートで出港した男性が死亡した。地元当局が26日、明らかにした。

これにより、今年ドーバー海峡で死亡した移民は確認できているだけで18人となった。

カレー県知事室の広報担当はAP通信の取材に対し、「イギリスに向かっていたボートがフランス側に押し流され、当局が移民とみられる男性の死亡を確認した」と語った。

それによると、海岸を散策していた市民がボートを発見し、警察に通報したという。

死因は明らかになっていない。知事室によると、救急隊員が心肺蘇生を試みたものの、その場で死亡を確認したという。

イギリスとフランス両政府は2週間前、ドーバー海峡を渡った移民の一部をフランスに送還する計画で合意した。

イギリスで反移民を公約に掲げる新興右派政党「リフォームUK」は過去数カ月で支持率を一気に伸ばし、スターマー政権に圧力をかけている。

不法入国した移民をルワンダに送還するという前政権の計画を破棄したスターマー(Keir Starmer)英首相は人身売買組織を摘発し、そのビジネスモデルを破壊することで、移民問題をコントロールするとしてきた。

しかし、今年イギリスに到着した移民は2週間前の時点で2万1000人を超え、昨年同時期から56%も増加している。

イギリス内務省の統計によると、24年に小型船でイギリスに到着した移民は3万6816人で、前年から25%増加。最も多かったのは22年の4万5774人である。

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