ロンドン・ヒースロー空港駐車場で強盗事件発生、1人逮捕、3人逃走中

7日の午前8時11分、ヒースロー空港第3ターミナルの多層駐車場で「複数の人が襲われた」との通報を受け警察が出動した。

英ロンドンのヒースロー空港で7日、駐車場のエレベーターにおいて強盗と見られる事件が起き、複数の人々がペッパースプレーのような刺激物質で襲われた。事件を受け、警察は31歳の男を暴行容疑で逮捕した。

7日の午前8時11分、ヒースロー空港第3ターミナルの多層駐車場で「複数の人が襲われた」との通報を受け警察が出動した。捜査当局によると、4人の男がエレベーター内で女性のスーツケースを奪い、その直後に刺激物質を女性に向けて噴射したという。周囲にいた人々もこの刺激物質を吸引し、のどの痛みや咳などの症状を訴えた。

事件後、現場では混乱が広がり、多数の乗客や通行人が咳き込み、呼吸困難を訴える人もいた。目撃者のひとりは「皆が咳をし、のどが焼けるような痛みがあった」「テロ攻撃かと思った」と語っている。

警察が駆けつける直前、黒い服を着て顔を覆った若い男たちがエレベーターから走り去るのが目撃され、そのうち1人が現行犯逮捕された。

医療関係者によると、この事件で合計21人が現場で手当てを受け、そのうち5人が病院に搬送された。搬送された人も含め、生命に関わるような重傷者はおらず、重大な後遺症が残るようなケガも報告されていない。幼児を含む子どもも手当てを受けたが、幸いにも深刻な負傷には至っていない。

警察は今回の事件について、「テロや政治的動機によるものではない」と断言。逮捕された男のほかにも複数の容疑者がいるとされ、捜査を継続中だ。

現地メディアによると、到着便・出発便に直接の影響はなかったものの、空港アクセスや駐車場利用、公共交通機関（ターミナルへのシャトルバスや鉄道）に大幅な混乱が生じた。関係当局は乗客に対して移動時間に余裕を持つよう呼びかけている。

現時点で、逮捕された男の身元など詳細情報は公表されていない。警察は防犯カメラ映像の分析、目撃者への事情聴取、逃走中の容疑者の追跡を進めており、さらなる情報提供を呼びかけている。