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スペイン・マドリード中心部で羊の大行進「移牧祭り」

移牧祭りは毎年10月に行われる伝統行事で、羊飼いたちが家畜とともに山岳地帯から冬を越すために温暖な地方へと移動する「移牧(トラッシュマンス)」の文化を祝うものである。
2025年10月19日/スペイン、首都マドリード中心部、移牧祭りの様子(AP通信)

スペインの首都マドリードで19日、移牧祭りが行われ、約1100頭の羊と200頭のヤギが街頭に繰り出した。

現地メディアによると、祭りを一目見ようと、市民だけでなく多くの観光客が集まったという。

移牧祭りは毎年10月に行われる伝統行事で、羊飼いたちが家畜とともに山岳地帯から冬を越すために温暖な地方へと移動する「移牧(トラッシュマンス)」の文化を祝うものである。

この祭りでは、何百頭もの羊が羊飼いに導かれてマドリード市内の中心部の主要な通りを練り歩く。

現代の都市生活の中で失われつつある農牧文化への理解を深め、伝統的な生活様式を称える目的がある。加えて、民族衣装に身を包んだ参加者や民俗音楽の演奏、伝統舞踊の披露などもあり、観光客にも人気のイベントとなっている。

1994年に制定された法律により、移牧の通行権が保護されており、これに基づいて家畜が都市を通過することが認められている。

マドリードでは1994年からこの祭りが開催されている。イタリア、フランス、米カリフォルニア州の町や小都市でも同様のイベントが行われている。

昨年は青舌病(ブルータング)の変異株への懸念からマドリードでの開催は中止された。

スペインでは近代的な農法により、移牧の慣行はごく少数の農家に限られている。彼らは環境的利点だけでなく文化的価値のためにこの伝統を守り続けている。

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