◎マクロン氏の与党連合は国民議会選で過半数を失い、連立交渉を迫られている。
2022年6月20日/フランス、北部エナンボーモン、国民連合のルペン党首(Michel Euler/AP通信)

フランスの地元メディアは20日、マクロン(Emmanuel Macron)大統領が21日から野党党首と会談すると報じた。

マクロン氏の与党連合は国民議会選で過半数を失い、連立交渉を迫られている。

今回の選挙で躍進したメランション(Jean-Luc Melenchon)氏率いる左翼連合「Nupes」と、ルペン(Marine Le Pen)党首率いる極右「国民連合」はマクロン氏の追放を目指しているため、交渉に乗り気ではないとみられる。

<仏国民議会選挙 開票率100% 定数577>
▽与党連合:245議席(▼102
Nupes:131議席(▲73
▽国民連合:89議席(▲82
▽共和党:64議席(▼56
▽その他左翼:22議席
▽無所属:26議席

与党連合は右翼もしくは左翼の議員少なくとも44人の協力を得たいと考えている。

AFP通信は政府筋の情報を引用し、「各党の党首は21日と22日に別々に大統領府を訪れる」と報じた。

多くのアナリストが「与党連合は中道右派の共和党との取引を視野に入れている」と予想している。AFP通信によると、共和党のジャコブ(Christian Jacob)党首もマクロン氏と会談する予定だという。

またAFP通信は、ルペン氏は会談要請に応じたが、メランション氏は拒否したと報じた。

社会党のフォール(Olivier Faure)党首と、共産党党首も会談する予定。

先月就任したばかりのボルヌ(Elisabeth Borne)首相は19日の会見で速やかに連立交渉を開始するとしたが、多くの専門家が厳しい結果になると予想している。マクロン氏は落選した閣僚3人の後任も選ばなければならない。

AFP通信は政府高官の発言を引用し、「今大切なことは、フランス人のためになる解決策を見出すことである」と報じた。

マクロン氏はインフレ対応の一環として、食料引換券の発行や給付金の見直しなどを提案している。なお、公約のひとつである定年を62歳から65歳に段階的に引き上げる改革は多くの有権者、特に低中所得者層に不人気であることが今回の選挙で判明した。

右翼と左翼はマクロン氏の改革阻止を目指しているが、ルペン氏は国民連合の提案を採用するのであれば、インフレ関連法案は支持する可能性があると述べている。

2022年6月12日/フランス、北部の投票所、マクロン大統領(Ludovic Marin/Pool/AP通信)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク