◎両候補は4月20日に直接対決する予定。
フランスのマクロン大統領と極右のル・ペン党首は大統領選挙に大きな影響を与える討論会の準備をしている。
両候補は4月20日に直接対決する予定。世界のメディアと数百万の有権者が壮絶な戦いを期待している。
一部の世論調査によると、マクロン大統領はル・ペン党首に約10ポイント差をつけている。しかし、多くの左派有権者が投票を棄権すると示唆しているため、勝敗を予想することは非常に難しい。
マクロン大統領は2017年の決選投票でル・ペン党首を圧倒したが、今回は大接戦になる可能性が高い。マクロン政権はコロナやインフレ対応で多くの批判に直面しており、選挙戦でも苦戦を強いられている。
一方、左派層に嫌われているル・ペン党首の支持率も伸び悩んでおり、世論調査会社イプソスが19日に公表したデータによると、マクロン大統領との差は4月10日の第1ラウンド以降、最も大きくなった。
イプソスはマクロン大統領が56.5%を獲得し、ル・ペン党首は44〜47%と予想している。
EUの同盟国も決選投票を注視している。
女トランプと呼ばれ、右寄りの改革を約束しているル・ペン党首が大統領に就任すれば、EUの同盟国は難しい対応を迫られることになるかもしれない。
ル・ペン党首は20日の討論会に向け、19日は事務所にこもると伝えられている。前回の討論会では失言が目立ち、支持率を大きく落としたため、同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。
討論会は無党派層に政策を伝える場としても重要である。
マクロン大統領は、ル・ペン党首を信頼できない危険な政治家として描写すると思われる。特にロシアのウクライナ侵攻が激化する中、過去にプーチン大統領を称賛しクリミア併合を認めたル・ペン党首の発言を考えるとなおさらである。
両候補とも第1ラウンドで3位に入った急進左派のメランション氏の有権者を取り込もうと躍起になっている。
マクロン大統領は集会の中で、「レースを有利に進めているとは思わない」と述べ、棄権はイギリスのEU離脱や米国のトランプ政権誕生のような事態につながると警告している。
マクロン政権の高官も多くの左派有権者が棄権を示唆していることに懸念を表明している。
カステックス首相は地元ラジオのインタビューの中で、「ゲームはまだ終わっておらず、決選投票の結果は決まっていると結論を出すべきではない」と有権者に訴えた。「フランス人はエマニュエル・マクロンの政策がベストであることを理解しなければなりません...」
もう一人の盟友で親マクロン派のバイル党首(民主運動)はSNSに、「どちらの候補が勝ってもおかしくない」と投稿した。