◎リトアニアの天然ガス供給は2015年時点でほぼ100%ロシアに依存していたが、LNG基地が港町クライペダに建設されたことで状況は一変した。
リトアニア政府は3日、ロシア産天然ガスの輸入を停止すると発表した。
エネルギー省は声明の中で輸入停止措置は4月初旬に実施すると明らかにした。
同省によると、リトアニアはロシア産天然ガスに依存せず国内のエネルギー供給を維持できる目途が立ったという。
クレイヴィス エネルギー相は記者団に、「人口約280万人の旧ソ連構成国はロシアから独立した」と語った。「リトアニアはロシアの国営ガスプロム社とロシアから最初に独立したEU加盟国になりました。これは、数年にわたる一貫したエネルギー政策とタイムリーなインフラ整備の結果です」
同国のナウセダ大統領は自身のツイッターアカウントで独立を称賛し、他の欧州諸国に同じように行動するよう促した。「今月から、リトアニアにロシアのガスは入ってきません。数年前、我が国は痛みを伴うことなく侵略者とのエネルギー関係を断ち切るための行動を開始しました。私たちにできるなら、他の欧州諸国にもできるはずです!」
リトアニアの天然ガス供給は2015年時点でほぼ100%ロシアに依存していたが、LNG基地が港町クライペダに建設されたことで状況は一変した。
エネルギー省によると、リトアニアの国内消費用ガスは今後、すべてクライペダのLNG基地に輸入されるという。
リトアニアの2021年のガス輸入割合はロシアのガスパイプラインが26%、クライペダのLNG基地が62%、残り12%は隣国ラトビアから供給された。
バルト三国のラトビアとエストニアもロシアの天然ガスに大きく依存しているが、ラトビアの天然ガス貯蔵施設の運営者によると、4月2日時点でバルト三国のいずれもロシアから天然ガスを輸入していないという。
ガス会社コネクサス・バルチック・グリッド(CBG)のバリスCEOは2日、ラトビアのメディアに対し、「同国のガス供給は現在、同国の地下に貯蔵されているガスで賄われている」と述べた。
一方、リトアニアのシモニテ首相は先月、クライペダのLNG基地の容量でバルト三国の供給を賄うことはできないと述べていた。
エストニア政府はその解決策として、ラトビアおよび北欧の隣国フィンランドと共同でエストニアの首都タリンからそう遠くない港町パルディスキにLNG基地を建設できないか模索している。