◎このパイプラインはリトアニア北部とラトビアに天然ガスを供給している。
リトアニア当局は14日、北部のラトビア国境近くでガスパイプラインが爆発した事故について、技術的な不具合が原因である可能性が高いと明らかにした。
リトアニア国営放送(LRT)によると、爆発は13日現地時間午後5時後に発生。同日の午後9時頃に鎮火した。現場は首都ビリニュスの北方約170kmに位置するパスバリス。負傷者は報告されていない。
パイプラインを運営するアンバー・グリッド社の報道官は14日、「調査チームはパイプラインの溶接部の不具合が爆発を引き起こした可能性が高いと考えており、数日以内に原因を特定できると思う」と語った。
当局は予防措置として、13日遅くにパイプライン近くの集落に避難命令を出し、約250人が避難した。報道によると、避難命令は14日に解除され、パイプラインの修理作業が始まったという。
アンバー・グリッド社は「テロの可能性は低い」と説明した。
このパイプラインはリトアニア北部とラトビアに天然ガスを供給している。同社によると、このパイプラインは1978年に建設され、最近メンテナンス作業を行ったばかりだという。
現場にはパイプラインが2系統併設されており、そのうち1系統が爆発したものの、もう1系統は問題なく稼働し、消費者への供給に支障は出なかったようだ。
パスバリスの自治体職員はAP通信の取材に対し、「現時点で健康被害は報告されていない」と語った。
リトアニア政府は昨年4月、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシア産ガスの輸入を終了した。
リトアニアは複数の国からLNG(液化天然ガス)を購入している。10年前に建設されたLNGターミナルは全国のガス需要を満たすだけでなく、近隣諸国へのガス輸出も可能にしている。