◎事件は28日の午前11時頃(現地時間)に市中心部のイスラム教センター内で発生。センターの職員が警察に通報した。
ポルトガルの警察当局は28日、首都リスボンにあるイスラム教の宗教センターで襲撃事件が発生し、女性2人が刺殺されたと発表した。
リスボン警察によると、容疑者はナイフを所持し、現場に急行した警察官に脚を撃たれたという。
容疑者は市内の医療機関に搬送され、手当てを受けている。
警察によると、事件は28日の午前11時頃(現地時間)に市中心部のイスラム教センター内で発生。センターの職員が警察に通報した。
このセンターはシーア派の分派で少数派のイスマーイール派(Ismailis)のために建設された。
公共放送RTPによると、容疑者はアフガニスタン人とみられる。亡くなった女性2人はポルトガル人で、1人は英語教師と伝えられている。
コスタ(Antonio Costa)首相は犠牲者に哀悼の意を表したうえで、「警察が捜査を進めており、動機について議論するのは時期尚早」と強調した。
SNSには「差別に悩むアフガン人の凶行」「ポルトガル人に対する憎悪犯罪」といった投稿が多数寄せられている。
内相もコスタ氏に同意し、「警察があらゆる可能性を考慮して捜査している」と述べた。
首相府の報道官によると、容疑者は3人の子供を持つ若い男性で、妻はギリシャの難民キャンプで亡くなったという。
リスボンに拠点を置くアフガンコミュニティ協会は声明で、「男性は1年ほど前にポルトガルに到着し、事件が発生したイスラム教センターで支援を受けていた」と述べている。
同協会によると、男性はポルトガル語を勉強したり、子供を支援するプログラムに参加するために、センターに足しげく通っていたという。
リスボン警察は事件後、同センター周辺に近づかないよう市民に呼びかけた。
RTPによると、ポルトガルのイスマーイール派コミュニティは欧州最大級で、党員数は数千人にのぼるという。