◎この事件は昨年9月、コソボ北部のセルビア国境近くの集落で発生した。
2023年9月29日/コソボ北部、セルビア国境近くの集落(Getty Images)

コソボの検察当局は11日、昨年9月に発生したセルビア系武装集団による越境攻撃に関与したとされる45人を起訴した。

この事件は昨年9月、同国北部のセルビア国境近くの集落で発生。約30人の武装集団が警察官を殺害して集落内にバリケードを設置。その後、コソボ警察との数時間に及ぶ銃撃戦に発展した。

この銃撃戦で武装集団の男3人が死亡。残りはセルビアに逃亡した。

コソボはセルビア政府が襲撃を主導したと主張しているが、セルビアは関与を否定している。

検察は11日の欠席裁判で襲撃を主導したとされる実業家のラドイチッチ(Milan Radoicic)ら45人を起訴した。

セルビア当局はこの事件後、共謀罪や武器・爆発物の不法所持などの疑いでラドイチッチを一時拘束した。

ラドイチッチは容疑を否認したが、銃撃戦を引き起こした武装集団の一員であることは認めたという。

ラドイチッチは金融犯罪の疑いで米国とイギリスの制裁下にある。セルビア当局はラドイチッチがコソボの襲撃に関与した証拠はないとしている。

45人はテロリズム、テロ活動、テロ資金提供、マネーロンダリングの罪に問われている。最高刑は終身刑である。

検察はこの事件を「これまでで最も複雑なもの」と呼び、「強力な罪状」を構築するために国際機関、EU、米国と緊密に協力したと明らかにした。

米国とEUはセルビア当局にラドイチッチを襲撃事件を主導した容疑で裁判にかけるよう求めている。

コソボは2008年にセルビアからの独立を宣言。西側の大半はこれを承認したが、セルビアやその同盟国であるロシアと中国は認めていない。

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