◎この事件は昨年9月、コソボ北部のセルビア国境近くの集落で発生。約30人の武装集団が警察官を殺害して集落内にバリケードを設置。その後、コソボ警察との数時間に及ぶ銃撃戦に発展した。
コソボとセルビアの国境近く、NATO平和維持部隊(Getty-Images)

コソボクルティ(Albin Kurti)首相は24日、セルビア政府に対し、昨年9月に発生したセルビア系武装集団による越境攻撃に関与した容疑者の身柄を引き渡すよう求めた。

この事件は昨年9月、コソボ北部のセルビア国境近くの集落で発生。約30人の武装集団が警察官を殺害して集落内にバリケードを設置。その後、コソボ警察との数時間に及ぶ銃撃戦に発展した。

この銃撃戦で武装集団の男3人が死亡。残りはセルビアに逃亡した。

コソボはセルビア政府が襲撃を主導したと主張しているが、セルビアは関与を否定している。

クルティ氏は声明で、この事件に関与した武装兵を一人残らず引き渡すよう要求。国際社会に対し、セルビア政府に圧力をかけ続けるよう求めた。

またクルティ氏はその責任の一端がセルビア政府にあると主張。「武装集団はブチッチ政権の計画に基づき、コソボを分断し、国境周辺の領土を併合するつもりだった」と述べた。

さらに、この武装集団がセルビアで組織され、政府から資金提供を受けていたと主張。「紛争に備え、大量の武器をコソボに持ち込んでいた」と強調した。

コソボ警察は事件後、100丁を超える銃器と8万発以上の弾薬を押収。セルビア政府は関与を否定している。

コソボの検察当局は今月初めの欠席裁判でこの事件に関与したとされる実業家のラドイチッチ(Milan Radoicic)ら45人を起訴した。

セルビア当局はこの事件後、共謀罪や武器・爆発物の不法所持などの疑いでラドイチッチを一時拘束したが、その後釈放。この事件に関与した証拠はないとしている。

米国とEUはセルビア当局にラドイチッチを襲撃事件を主導した容疑で裁判にかけるよう求めている。

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