コソボ議会選挙、1年に及ぶ政治的行き詰まり解消なるか
今回の選挙は今年2月の総選挙で勝利したものの過半数を確保できなかった与党のクルティ首相が政権構築を目指して再び国民の信を問うものとなる。
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コソボで12月28日、1年以上続く政治的膠着(こうちゃく)を打開するための議会選挙(一院制、定数120)が行われる。今回の選挙は今年2月の総選挙で勝利したものの過半数を確保できなかった与党のクルティ(Albin Kurti)首相が政権構築を目指して再び国民の信を問うものとなる。膠着状態が続いた結果、議会は機能不全に陥り、EUや世界銀行からの資金支援承認も滞り、政治・経済双方に深刻な影響を及ぼしている。
クルティ氏率いる与党VVは2月の選挙で最多議席を獲得したものの過半数を確保できず、他党との連立交渉も難航。数か月にわたる交渉の末、11月に国会が機能不全に陥ったことを受け、大統領が議会を解散した。膠着が続く中、議員たちは議長の選出や政府・大統領の選出に必要な過半数を確保できず、政治空白が長引いた。
今回の選挙では、与党が再び過半数獲得を目指す一方、野党各党はクルティ氏の政策や統治手法に批判的な立場を強めている。特に西側諸国との関係や、国内北部のセルビア人多数地域に対する対応を巡り対立が深まっている。野党は生活水準の向上や政治安定を前面に訴えて選挙戦を展開している。クルティ氏は公務員に1か月分の給与上乗せや年間10億ユーロ規模の大型投資計画、組織犯罪対策の強化などを公約に掲げ、支持拡大を図っている。
投票は現地時間午前7時から始まり、午後7時に締め切られる。出口調査は投票終了後に公表される見込みだが、コソボでは世論調査の公表が禁じられているため、選挙結果の予測は困難な状況にある。多くの有権者は政治疲れや将来への不透明感から支持政党を決めかねており、勝敗の行方はなお流動的と見られている。
今回の結果はコソボが来年4月に控える大統領選やEU・世界銀行からの約10億ユーロの融資承認にも影響を与える重要な意味を持つ。議会が新政権を構築できなければ、政治的膠着はさらに長期化し、経済支援の停滞が国内の社会・経済に一層の打撃を与える可能性がある。1990年代後半の紛争を経て2008年にセルビアから独立を宣言したコソボは、貧困や組織犯罪など内外の課題を抱えており、今回の選挙が国家の進路を左右する試金石となる。
