SHARE:

コソボ大統領がまた議会解散、総選挙へ、1年余りで3度目


オスマニサドリウは6日、首都プリシュティナの記者団に対し、総選挙について「できるだけ早く行うべきだ」と述べ、長期的な政治危機を回避する必要性を訴えた。
2025年12月17日/ブリュッセルのEU本部、コソボのオスマニサドリウ大統領(AP通信)

バルカン半島のコソボで政治的混乱が続く中、オスマニサドリウ(Vjosa Osmani-Sadriu)大統領は6日、議会を解散し、政治空白を避けるため再び総選挙を実施する必要があると強調した。政権運営を巡る対立が続く中で、政治体制の安定を急ぐ姿勢を強調している。

オスマニサドリウは6日、首都プリシュティナの記者団に対し、総選挙について「できるだけ早く行うべきだ」と述べ、長期的な政治危機を回避する必要性を訴えた。また国際情勢が不安定な中、速やかに選挙を終え、「機能する政権」を整えることが重要だと強調した。

議会解散の背景には大統領の後任を選出する手続きが行き詰まったことがある。議会の定数は120議席、後任の大統領を選ぶ投票は期限までに行われなかった。野党の欠席などにより必要な定足数が確保できず、選出が不成立となったため、憲法上の危機を回避する措置として議会解散に踏み切った形だ。

オスマニサドリウ氏は2021年に大統領に就任、任期満了が迫る中で後任を選ぶ必要があった。しかし与野党の対立が深まり、手続きが停滞した。今回の解散により総選挙が実施される見通しとなるが、具体的な日程はまだ決まっていない。

同国ではここ1年余り、政治の不安定さが続いている。2025年2月の総選挙では明確な多数派が形成されず、政権樹立を巡る交渉が長期化した。その後の政治的行き詰まりを受け、同年12月に再び解散総選挙が行われた。今回選挙が実施されれば、1年余りで3度目の国政選挙となる。

現在の政権はクルティ(Albin Kurti)首相の与党「自己決定運動」が中心で、年末の選挙で勝利した後、少数民族政党と連立して政権を発足させた。しかし、今回の議会解散については、与党側が「憲法に反する可能性がある」として憲法裁判所に判断を求めており、政治的対立が続いている。

コソボは2008年、旧ユーゴスラビアからの紛争を経てセルビアからの独立を宣言。セルビアは現在も独立を認めていない。セルビアはロシアや中国の支持を受け、両国の対立関係は依然としてバルカン地域の火種となっている。こうした状況もあり、コソボのEU加盟への道は停滞している。

オスマニサドリウ氏は政治制度を安定させることが国の安全保障にも直結すると指摘したうえで、民主主義制度の強さを示す必要があると訴えた。国内政治の混乱が続く中、次の選挙がコソボの政治的安定を取り戻す転機となるかが注目されている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします