◎ウクライナ当局はカホフカダム決壊以来、ロシア軍の占領下にあるドニプロ川東岸に閉じ込められた市民の救出を試みている。
ウクライナ南部ヘルソン州政府は11日、カホフカダム決壊の洪水被災地から逃れたウクライナ市民3人がロシア軍に殺害されたと発表した。
ウクライナ当局はダム決壊以来、ロシア軍の占領下にあるドニプロ川東岸に閉じ込められた市民の救出を試みている。
同州のプロクジン(Oleksandr Prokudin)知事はテレグラムに声明を投稿。「ロシア軍の砲撃により、避難ボートに乗っていた74歳の男性ら3人が死亡した」と明らかにした。
それによると、74歳の男性は同乗していた女性をかばい、亡くなったという。
この砲撃で警察官2人も負傷した。
カホフカダムは6日に決壊し、貯水湖に溜められた大量の水がドニプロ川に放出され、広大な土地があっという間に水没してしまった。
ウクライナ政府はロシアがダムを爆破したと非難。ロシアはこれを否定し、その責任はウクライナにあると反論している。
ダムは爆破攻撃で決壊したとみられる。米シンクタンク戦争研究所は「ウ軍の大規模反攻を恐れるロシアが南部の進軍ルートを遮断するためにダムを爆破した可能性が高い」とみている。
ウ軍はザポリージャ州などの南部地域で反攻を本格化させたとみられるが、ダム決壊による冠水がこの地域への進軍を困難にするという懸念が高まっている。
ドニプロ川東岸は最も大きな被害を受けた地域のひとつであり、数千人がテレグラムなどのSNSアプリで救助を要請している。
ウ軍は「東岸からの救助を調整している」と報告。さらに、ロシア軍の砲撃を恐れない大胆不敵なボランティアがこの地域で避難の一部を担っているようだ。
東岸の救助活動に携わった男性はAP通信の取材に対し、「ボートで移動中、ロシア軍の銃撃を受けた」と語った。「この地域に配備されたロシア兵はボランティアや兵士の到着を待ち構えています...」