▽カベラシビリ氏は53歳の元サッカー代表選手。英プレミアリーグでプレーしたこともある。
ジョージア・トビリシの国会で29日、大統領就任式が行われ、ロシアを敬愛する元プロサッカー選手のカベラシビリ(Mikheil Kavelashvili)氏が宣誓した。
野党は式典をボイコットし、市内で抗議デモを主催。支持者に声を上げ続けるよう促した。
ズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は29日朝、大統領府を明け渡すと表明したが、「自分は宣誓式の後も、この国の正当な大統領であり続ける」と主張した。
ズラビシュヴィリ氏はその後、支持者の前で演説し、「私は大統領府を離れ、皆のところに行き、皆のために働く」と語った。
またズラビシュヴィリ氏は就任式を「パロディ」と呼び、与党「ジョージアの夢」を改めて非難した。
カベラシビリ氏は53歳の元サッカー代表選手。英プレミアリーグでプレーしたこともある。
ジョージアの夢は野党が国会をボイコットする中、プーチン(Vladimir Putin)大統領をリスペクトするカベラシビリ氏を大統領に選出した。
議会や地方議会の議員などで構成される300人の選挙人団が今回初めて大統領を選出した。大統領の直接選挙は2017年に廃止された。
カベラシビリ氏は演説で、「私は私を嫌う人を含む、全国民の大統領になる」と約束した。
またカベラシビリ氏は国民に団結を呼びかけ、「共通の価値観、相互尊重の原則、そして共に築くべき未来を軸に、国民のために職務を全うする」と誓った。
ジョージアの夢は近年ますます権威主義的になっており、物議を醸す反スパイ法を法制化したり、LGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法」を成立させた。
ジョージアの夢は2008年の南オセチア紛争でロシアになぶり殺しにされたにもかかわらず、ロシアとの関係をリセットしたいと主張している。
ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。
米政府は今週、ジョージアの夢の創設者であるイヴァニシヴィリ(Bidzina Ivanishvili)元首相を制裁リストに追加した。