クラゲ大量発生でフランスの原発停止、取水設備が目詰まり
この結果、冷却システムが正常に動作しなくなる可能性があるとして、稼働中の4基の原子炉を一時停止したとしている。
が運営するグラブリーヌ原子力発電所(ロイター通信).jpg)
フランス電力公社(EDF)は11日、グラブリーヌ原子力発電所の冷却に欠かせない取水設備に大量のクラゲが押し寄せたため、4基の原子炉を停止したと明らかにした。
EDFは声明で、「冷却用の海水を取り込むポンプ設備に設置されたフィルタードラムが大量のクラゲによって詰まりを起こした」と明らかにした。
またEDFは「このような事態は初めてであり、地球温暖化による水温上昇が原因である可能性が高い」と述べた。
この結果、冷却システムが正常に動作しなくなる可能性があるとして、稼働中の4基の原子炉を一時停止したとしている。
EDFによると、今週後半までにクラゲを除去し、システムを再点検した後、再稼働する予定。
6基の原子炉はそれぞれ900メガワットの電力を生成。合計5.4ギガワットの電力を供給している。
EDFによると、他の2基は定期点検により停止中。このクラゲ事件により、発電所全体が一時的に発電を停止した状態となっている。
同社は欧州を覆う熱波の影響で原発の出力制限が必要になる可能性があると警告している。
ロイター通信は情報筋の話しとして、「フィルタードラムに損傷はなく、清掃が必要なだけである」と報じた。
グラブリーヌ原子力発電所はダンケルクとカレーの中間に位置し、この海域では近年、水温の上昇によりクラゲの増加が報告されている。
米海洋大気庁(NOAA)によると、温暖化で海水温が上昇するとクラゲの繁殖速度が速まるという。