◎Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏の5億ドル(約580億円)の巨大ヨットはまもなく完成する予定。
オランダの現地メディアによると、ロッテルダムで建造されているAmazon創業者ジェフ・ベゾス氏の5億ドル(約580億円)の巨大ヨットは納品問題に直面しているという。
ロッテルダムのメディアは今週、地元で「デ・ヘフ」と呼ばれている史跡、コーニングスハーフェン橋の解体に市長が合意したと報じた。
この報道はロッテルダムだけでなくオランダ人の怒りを引き起こし、あるフェイスブックユーザーは「スーパーヨットに腐った卵を投げつけろ」と提案した。
ベゾス氏のスーパーヨットはロッテルダムの埠頭近くで建設されており、コーニングスハーフェン橋を通過しなければ大海原に乗り出すことはできない。
ロッテルダムのアブタレブ市長の広報担当は2月4日、AP通信の取材に対し、「造船業者は今夏に橋の一部を一時的に解体させてほしいと要求しているが、市はこの要求を許可していない」と述べ、報道を否定した。
コーニングスハーフェン橋は1878年に建設された旋回橋で、1940年のロッテルダム爆撃(ナチスの空爆)で大きな被害を受けたものの、その後復元され、現在は史跡に指定されている。
ロッテルダムの市民リゼット・トゥーバー氏はAP通信のインタビューの中で、「デ・ヘフは最近修復されたとても美しく古い橋です」と語った。「デ・ヘフはロッテルダムの宝物です...」
アブタレブ市長の広報担当は声明の中で、「当局は経済的影響、環境への影響、重要な記念碑である橋本体に与える影響やリスクなどに基づき、許可申請を評価する」と述べた。
また広報担当は、「許可申請を認めるか否かは自治体の判断にゆだねられ、許可する場合、造船業者は一時的な解体に向けた計画を速やかに策定し、当局にあらためて提示する必要がある」と述べた。
AP通信によると、自治体はスーパーヨットの造船業者を明らかにしなかったという。Amazonも回答を拒否したと伝えられている。
コーニングスハーフェン橋は1993年にトンネルが開通したことで使用されなくなり、解体されることが決まったが、市民の熱烈な抗議で解体を免れ、約3年かけて改修された。
ロッテルダム歴史学会の会長を務めるトン・ウェッセリンク氏は、「1隻のヨットのために橋を解体すべきではない」と述べ、懸念を表明した。「一度解体を認めると、他の造船業者も同様の申請を提出するようになるでしょう」
しかし、一部の市民は橋の一時的な解体を支持した。
ロッテルダム在住の男性はソーシャルメディアに、「Amazonに数億ドル請求すればよい」と投稿した。「橋は復元されます。ロッテルダムにお金を落とさせましょう」
別のユーザーは「解体工事は多くの雇用を生む」と投稿した。「自治体はベゾスに地元の業者を使うよう命じなさい」