◎イタリア南部の島々はアフリカ系移民のホットスポットであり、毎年数万人の移民がアフリカ北部から地中海に漕ぎ出す。
イタリアのメローニ首相(右)とアルバニアのラマ首相(ロイター通信)

イタリア海軍が8日、アルバニアの港に8人の移民を移送した。

両政府は昨年11月に移民の受け入れに関する協定を締結。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。

イタリア政府は先月、アルバニアに2つの移民収容センターを開設した。ここでは亡命を希望する男性移民を処理する。

女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。

イタリアがアルバニアに移民を送ったのは2度目だ。

イタリアは庇護が認められた移民を受け入れることに合意しており、申請が却下された移民をアルバニアに送るとしている。アルバニアは移民を精査し、本国に送還するかどうかを決める。

イタリア海軍は先月、移民16人(バングラ人10人、エジプト人6人)をアルバニアの港に移送し、当局に引き渡したが、うち4人は審査で不合格となり、イタリアに戻された。

その後、ローマ地裁はアルバニア政府が12人を本国に送還する可能性があること。12人の母国であるバングラとエジプトが安全であるとは言えないとして、12人をイタリアに戻すよう命じた。政府はこの判決を不服として控訴している。

さらに政府は先月21日、司法上のハードルを克服することを目的とした政令を公布した。

政府は今回アルバニアに送った移民の国籍を明らかにしていない。

イタリア南部の島々はアフリカ系移民のホットスポットであり、毎年数万人の移民がアフリカ北部から地中海に漕ぎ出す。

地中海は世界で最も多くの死者を出している亡命ルートのひとつだ。国際移住機関(IOM)によると、昨年は2500人以上の移民が死亡または行方不明となった。

EUは地中海の警備を強化しており、その結果、今年イタリアに到着した移民の数は23年比で6割ほど減少した。

イタリア内務省によると、今年海路で同国に到着した移民は11月7日時点で5万7767人。昨年同時期は14万人であった。

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