◎メローニ氏は2年前に首相に就任して以来、米電気自動車大手テスラやスペースXを率いるマスク氏と頻繁に会っている。
イタリアのメローニ首相(左)と米テスラのマスクCEO(Getty Images)

イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相は18日、米トランプ次期政権の新組織「政府効率化省」のトップに就任するマスク(Elon Musk)氏との友好関係を擁護した。

メローニ氏は国会でマスク氏との関係について問われると、「マスク氏が利害関係を持つ分野でイタリアが影響を受けることはない」と強調した。

またメローニ氏は「私はマスクの友人であると同時に、宇宙での民間活動を規制する新しい法律を作ったことを理解すべきだ」と述べた。

メローニ氏は2年前に首相に就任して以来、米電気自動車大手テスラやスペースXを率いるマスク氏と頻繁に会っている。

メローニ政権は今夏、外国の宇宙企業がイタリアで事業を行うための枠組みを承認。2026年までに73億ユーロ(約1兆1700億円)の投資が見込まれている。

メローニ氏は前任者たちを揶揄し、「以前の国家元首たちは外国の指導者と良い関係、友好関係を持っていると思い込んでいた」と語った。

またメローニ氏は「多くの人と良好な関係を築いているが、誰の命令も指図も受けない」と強調した。

メローニ氏とマスク氏の友情は過去にも注目を集めたことがある。

マスク氏は昨年9月、2人が親しげに見つめ合う写真が拡散された後、熱愛関係を否定。メローニ氏を「欧州で最も強力な指導者のひとり」と評した。

またマスク氏は先月、反移民を推進するメローニ氏を改めて称賛し、メローニ政権の移民追放政策に待ったをかけた司法を「バカ」と蔑んだ。

イタリアとアルバニア政府は昨年11月に移民の受け入れに関する協定を締結。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。

イタリア政府は10月、アルバニアに2つの移民収容センターを開設した。ここでは亡命を希望する男性移民を処理する。

女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。

そしてイタリア政府はさっそくセンターに移民を送ったものの、裁判所がこれに待ったをかけた。センターは今も空っぽで、当局は人件費を削減するために所員を減らしている。

マスク氏は司法を「無能」と呼び、メローニ氏を称賛。マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領はこれに激しく反発し、「内政に干渉するな」とマスク氏を叱責した。

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