▽イタリアとアルバニア政府は23年11月に移民の受け入れに関する協定を締結。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。
-1.jpg)
イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相は17日、休眠状態になっているアルバニアの移民収容センターを再稼働させ、不法移民送還計画を推進すると誓った。
イタリアとアルバニア政府は23年11月に移民の受け入れに関する協定を締結。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。
メローニ政権は昨年10月、アルバニアに2つの移民収容センターを開設した。ここでは亡命を希望する男性移民を処理する。
女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。
メローニ政権はさっそくセンターに移民を送ったものの、ローマの地方裁判所が人権団体の訴えを認め、これに待ったをかけた。
ローマ地裁は送還が決まった移民の出身地が安全ではなく、命の危険にさらされる可能性があるとして、送還を差し止めた。
メローニ氏はその後も何度か移民をセンターに送ったが、その都度、裁判所の反対命令を受けている。
裁判官たちはこの計画が欧州司法裁判所(ECJ)の最近の判決に準拠しているかどうか疑問があるとしている。
ローマの最高裁判所は昨年末、「下級裁判所はケース・バイ・ケースでそのような判断を下すことができるが、移民の送還に関する全体的な方針を定めることはできない」と裁定した。
ECJは今月末にこの件を再検討し、その見解を明らかにする予定である。
メローニ氏は声明で、「ECJがイタリアだけでなく、すべてのEU加盟国の送還政策を危うくするリスクを回避してくれることを期待している」と表明した。
ECJは以前、移民の出身地が安全でないとみなされた場合、本国に送還すべきでないと裁定している。