◎エル・アラメインの戦いは1942年10月にエジプトで行われ、約19万人の兵士を投入した連合国が勝利。ドイツ主導の枢軸同盟は北アフリカにおける野心的な戦略の見直しを余儀なくされた。
イタリアのメローニ首相(Getty Images)

イタリアの政府与党が第2次世界大戦の戦闘のひとつで「エル・アラメインの戦い(1942年)」で命を落としたファシスト兵士を称え、論争を巻き起こした。

政府はエル・アラメインの戦いの終結から82年を記念する式典で独裁者ムッソリーニBenito Mussolini)とナチスに身を捧げた若者たちを「英雄」と称えた。

国防省も23日の声明で、ムッソリーニとナチスのヒトラー(Adolf Hitler)は連合軍との戦いで多くの英雄を失ったと述べた。

エル・アラメインの戦いは1942年10月にエジプトで行われ、約19万人の兵士を投入した連合国が勝利。ドイツ主導の枢軸同盟は北アフリカにおける野心的な戦略の見直しを余儀なくされた。

ムッソリーニのファシスト政権下で行われたこの戦いでは、数千人のイタリア人が死亡または捕虜となった。

イタリアの野党は政府の記念式典を非難。五つ星運動(M5S)は「ムッソリーニ軍が自由のために戦ったという表現を見直せ」と憤慨した。

その後、主要野党は共同声明で、「愚かなファシスト政府は己の欲望を満たすために、数千人の若者を戦地に送り込み、見殺しにしたのだ」と非難した。

メローニ(Giorgia Meloni)首相はファシズムから生まれたイタリア社会運動(MSI)をルーツとする政党「イタリアの同胞」の党首である。

メローニ氏はファシズムの過去から党を遠ざけようとしており、ファシズムを含むすべての全体主義体制を公然と非難している。

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