SHARE:

イタリアの鉄道網が攻撃受ける、五輪開幕直後「破壊工作」

事件は2月7日朝に発生。警察と内務省によると、北部ボローニャ付近および東海岸の港町ペーザロ近郊の複数の鉄道路線で事故とは考えにくい損傷が確認された。
2026年2月7日/イタリア、ボローニャの鉄道駅(Getty Images/AFP通信)

イタリアで冬季五輪が正式に始まった直後、北部を中心とする鉄道網で「サボタージュ(破壊工作)」とみられる被害が発生し、当局が原因を調査している。複数の鉄道インフラが攻撃を受けたとみられ、開幕直後の交通に大きな混乱が生じた。関係者はこれを「未曽有の深刻な破壊行為」と表現し、詳しい分析を進めている。

事件は2月7日朝に発生。警察と内務省によると、北部ボローニャ付近および東海岸の港町ペーザロ近郊の複数の鉄道路線で事故とは考えにくい損傷が確認された。ペーザロ近くでは線路の分岐器を制御する施設が火災で焼失し、ボローニャでは列車の速度検知用の電気ケーブルが切断されていた。また、別の地点ではIED(即席爆発装置)とみられる物体が線路脇で発見されたと伝えられている。これらの影響で高速列車やインターシティ、地域列車を含む複数の列車が最大で2時間半程度遅延したほか、ボローニャの高速鉄道駅は一時閉鎖されたが、午後には運行を再開した。

運輸省はこれらの事案を「サボタージュ行為」であると断定し、国家の重要インフラへの意図的な攻撃として厳しく非難した。サルヴィーニ(Matteo Salvini)副首相も声明で攻撃を非難し、五輪期間中の取り締まり強化を強調した。

当局によると、犯行声明を出した組織や個人は確認されておらず、これらが計画的・協調的な攻撃である可能性について捜査を進めている。ボローニャは北イタリアの主要な鉄道結節点、交通の要衝である。冬季五輪ではミラノやベネチア、コルティナ・ダンペッツォなど複数の開催地へのアクセスに鉄道が利用され、大会期間中の交通網の安定は極めて重要視されていた。

鉄道網に対する破壊工作は過去にも大規模なスポーツイベントの際に発生した例がある。フランスでは2024年夏季五輪開幕直前に高速鉄道網が攻撃を受け、大規模な交通混乱を招いた。今回の被害についても類似点が指摘されている。

イタリア政府はセキュリティレベルを引き上げ、鉄道や主要インフラ周辺での警戒を強化している。また、捜査当局は防犯カメラ映像や破壊された設備の分析を通じて、サボタージュの動機や背景を解明しようとしている。今後の大会運営への影響を最小限に抑えることが急務となっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします