◎10年以上赤字で運航していたアリタリア・イタリア航空の事業は、10月15日に発足する国営航空会社ITAに引き継がれる。
10月14日、破産したイタリアのアリタリア・イタリア航空が最終便を運航し、74年の歴史に幕を下ろした。
首都ローマのフィウミチーノ・レオナルドダヴィンチ空港発サルデーニャ島カリアリ行きAZ1581便の客室乗務員は、搭乗前に乗客と機体に謝意を示した。
地元メディアによると、同社の最終便はサルデーニャ島カリアリから戻るAZ1586便だったという。
10年以上赤字で運航していたアリタリア航空の事業は、10月15日に発足する国営航空会社ITAに引き継がれる。
EUの執行委員会は先日、ITAへの13.5億ユーロ(約1,800億円)の資金注入を許可した。地元メディアによると、ITAはアリタリア航空の職員推定10,000人の約25%を雇用する予定だという。
ここ数週間、アリタリア航空の職員はストライキとデモで国有化に伴う人員削減に抗議した。
ストライキを主導した団体はITAの実行可能性に疑問を投げかけ、「人員を約4分の1に削減するスリム化は恐らく、外国の企業を意識している」と主張した。
アリタリア航空は経営再建に向けスポンサーを探していたが、コロナウイルスの感染拡大による航空需要の激減が致命傷となり、政府は昨年完全国有化を決めた。
団体のリーダーであるアントニオ・アモロソ氏は外国報道協会の取材に対し、「政府の計画は地域社会に深刻な影響を与える」と述べた。「政府はITAを外国の企業に売り出すためにスリム化しました。民営化に向けた取り組みは支持します。しかし、会社に尽くした数千人を解雇するという決定にはいかなる理由があろうと賛成できません」
アリタリア航空は1946年設立。2001年9月の米同時多発テロの影響で経営が悪化し、事実上国有化された。
2007年、エールフランスはアリタリア航空の買収に意欲を見せたが、紆余曲折の末、買収交渉は決裂した。
その後も赤字経営は続き、2014年にはアブダビ首長国のエティハド航空の傘下に入ることで収支の改善を図ったが、2017年5月に経営破綻した。
ITAはミラノ⇔NY便、ローマ⇔NY便、ローマ⇔東京便などを運航する予定。