◎部隊はジュエルと名付けられた犬と共にコンテナを調べ、バナナの山に隠されたコカインの包みを発見した。
イタリアの警察当局は16日、エクアドルから出荷された70トンの箱入りバナナに隠されていたコカイン約2700kgを押収したと発表した。
それによると、税関警察は警察犬部隊の助けを借りたという。
税関警察は声明で、「この最高級コカインはイタリアを経由してアルメニアに届く予定だったが、優れた警察犬がそれを阻止し、密売組織に8億ユーロ(約1190億円)以上の損失を与えた」と述べている。
それによると、警察犬部隊は犯罪組織「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」の拠点があるとされるジョイアタウロ港に最近到着した貨物船の2つのコンテナに積まれたバナナに違和感を覚えたようだ。
部隊はジュエルと名付けられた犬と共にコンテナを調べ、バナナの山に隠されたコカインの包みを発見した。
税関によると、警察官がコンテナのドアを開けると、ジュエルは「ワオーン(コカインだ)」と叫んで高々と飛び上がり、バナナの箱をガシガシ噛んで「ワンワン(ここに何かあるぞ)」と同僚に告げたという。
税関は声明の中で、「ジュエルがいなかったら、コカイン・バナナは地中海を通ってジョージアの港に向かい、そこからアルメニアに運ばれていただろう」と述べている。
貨物船がジョイアタウロ港に到着した日付は明らかにされていない。
税関によると、この押収の数日前、同じ港の税関警察はエクアドル産果物を積んだコンテナトラック6台からコカイン約600kgを押収したという。トラックはクロアチア、ギリシャ、ジョージアに向かう予定だった。
ジョイアタウロ港はイタリアで最も混雑する港のひとつであり、ヌドランゲタの拠点があるとされる町に近いことから、捜査当局の厳しい監視下に置かれている。
ヌドランゲタは同国で最も強力なマフィアとされ、欧州の広い範囲、米国、オーストラリアなどで活動し、広大な国際犯罪ネットワークを構築している。
国家警察は2021年以降の取り締まりでコカイン約37トンを押収したとしている。