◎EUはロシアのウクライナ侵攻を受け、年末までに海路で輸入されるロシア産原油を段階的に削減・停止する制裁に合意した。
2022年11月18日/イタリア、シチリア島中心部の通り、製油所の職員によるデモ(Salvatore Cavalli/AP通信)

イタリアのシチリア島で18日、製油所の職員による抗議デモが行われ、数千人が参加した。

職員たちは対ロシア制裁の影響で製油所が危機に瀕しているとして、政府に対応を求めた。

EUはロシアのウクライナ侵攻を受け、年末までに海路で輸入されるロシア産原油を段階的に削減・停止する制裁に合意した。これにより、EU圏内で消費されるロシア産原油のおよそ90%が制裁の対象となった。

この制裁により、シチリア島にあるロシア石油大手ルクオイルが所有する製油所は厳しい対応を迫られることになった。

この製油所はイタリアの石油大手ISAB Srl社が管理している。

地元メディアによると、製油所の労組幹部はローマで経産省高官らと会談したという。労組は組合員3500人と関連企業の従業員6500人の生活を保証するよう求めた。

経産省の報道官は記者団に対し、「12月中旬に再協議する」と語った。

イタリアで消費される石油の約20%がシチリア島で精製されている。

さらに、この製油所はシチリア州のGDPの半分、同州の経済活動の10%に影響を与え、関連事業を含めると数万人の生活を支えている。

ウクライナ侵攻以来、製油所はロシア産原油しか処理できなくなった。銀行がロシア産以外の購入に必要な貸し付けを拒否したためである。

組合は政府に対し、製油所を民営化するか、政府の信用機関に原油購入融資の保証人になるよう要求している。

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