◎チュニジアの海岸とランペドゥーサ島は150kmほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。
イタリアのランペドゥーサ島沖で移民を乗せた2隻の船が沈没し、少なくとも31人が行方不明になっている。国際移住機関(IOM)が6日、明らかにした。
それによると、2隻は5日に沈没。1隻目の船に乗っていた28人と2隻目の3人が行方不明になったという。
どちらの船も3日に北アフリカ・チュニジア東部沿岸の町スファックスを出港したとみられる。
現地メディアによると、ランペドゥーサ島の沿岸警備隊は海岸の岩場にたどり着いた移民約20人を救助する準備を進めているようだ。
この人々は4日から岩場で助けを求めていたとされる。
チュニジアの海岸とランペドゥーサ島は150kmほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。
しかし、素人による地中海横断は容易ではなく、ゴムボートや木造船の沈没事故が相次いでいる。
アフリカ大陸・サハラ以南の移民は人身売買組織が提供する頼りない船に乗り、ランペドゥーサやシチリアを目指す。
一部の人身売買組織はイタリア領海近くまでエンジン付きボートで移民を運び、自分の身を守るために別のボートにエンジンを積み替え、逃亡することもある。
地中海横断ルートでは毎年多くの移民が死亡または行方不明なっている。
IOMによると、今年これまでにこのルートで死亡した移民は確認できているだけで1800人以上。昨年のほぼ2倍に急増したという。