◎イタリア政府は移民対策を強化しており、南部の地中海で成果を上げている。
イタリア北東部トリエステに昨年到着した同伴者のいない子供の移民の数が22年の2倍以上に急増した。国際人道支援団体「国際救済委員会(IRC)」が16日、明らかにした。
それによると、バルカン半島の移民ルートを通じて昨年トリエステに入った同伴者のいない子供は約3000人となり、22年比で112%増となった。
その数はトリエステに入った全移民の20%近くを占める。
IRCイタリア支部は移民に医療、食料、その他支援を提供している。
EU圏の国境警備を担う欧州沿岸国境警備機関(Frontex)によると、バルカン半島の移民ルートはこの地域で最も活発なルートのひとつであり、この地域に入った移民の約40%を占める。
IRCは年次報告書の中で、「バルカンルートを経由してトリエステに到着する子供はネグレクトやトラウマなど、身体的・心理的暴力にさらされ、憂慮すべきほど増加している」と指摘した。
またIRCは「そのうち94%がアフガン国籍であり、その86%がドイツ、フランス、スイスを中心とした豊かな西欧を目指している」と述べた。
さらに、「この急増は最近の国際調査で浮き彫りになった危険な傾向を裏付けるものであり、過去3年間に欧州に到着した後、1日平均47人の子供が姿を消し、5万人もの子供たちが行方不明になっている」と強調した。
イタリア政府は移民対策を強化しており、南部の地中海で成果を上げている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年1月1日~4月15日の間にイタリアに到着した移民の数は昨年同期比で半分以下に減少したという。
北アフリカのチュニジアとイタリア南部ランペドゥーサ島は150kmほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。