◎陸軍兵士はカラブリア州南部の病院やその周辺で警備・警戒任務に当たる。
2024年9月15日/イタリア・カラブリア州の病院、周辺を警戒する警察官(AP通信)

イタリアで病院の患者やその親族が医療従事者を襲撃する事件が相次いだため、陸軍が医療スタッフを警護することになった。現地メディアが15日に報じた。

それによると、陸軍兵士はカラブリア州南部の病院やその周辺で警備・警戒任務に当たるという。

国営イタリア放送協会(RAI)は同州知事の話しとして、「州南部の病院で治安当局が行っている監視任務を強化する計画を承認した」と報じた。

南イタリアでは最近、医療従事者を狙った襲撃事件が特に頻発しており、イタリア医師会連盟は医療従事者の安全を確保するために軍隊の派遣を要請していた。

転機となったのは、今月初旬にカラブリア州南部のポリクリニコ病院で起きた襲撃事件だった。緊急手術中に死亡した23歳女性の親族や友人約50人が悲しみと怒りを暴力に変え、病院スタッフを襲撃した。

SNSで拡散した動画には医師や看護師が攻撃から逃れるために事務所にバリケードを築いている様子が映っていた。

この事件で複数人が暴徒に殴られ負傷。同院の院長は事件後、「1週間足らずの間に同じような襲撃が3回もあった」と明らかにした。

RAIによると、昨年全国の病院で確認された身体的暴力や言葉による暴力や1万6000件以上。医師会連盟は政府に対し、抜本的な対策を求めている。

全国の看護師を代表する労働組合は15日付けの声明で、「過去10年間で、これほどのレベルの暴力は見たことがなく、国民の命を守るために働く看護師と医師の命が危険にさらされている」と強調した。

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