イタリア国民投票、反対多数で否決、メローニ政権に打撃
今回の国民投票は右派のメローニ首相が推進していた司法制度改革案を有権者が承認するかどうかを問うもので、憲法上の複数条項を改正する内容であった。
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イタリアで3月22日と23日に実施された司法制度改革案の是非を問う国民投票について、選挙管理委員会は23日、改正案は反対多数で否決されたと発表した。それによると、開票率99%時点で、反対が54%、賛成は46%。投票率は約59%と予想を上回る高いものとなった。今回の結果は2027年に総選挙を控えるメローニ政権にとって政治的な逆風となる。
今回の国民投票は右派のメローニ(Giorgia Meloni)首相が推進していた司法制度改革案を有権者が承認するかどうかを問うもので、憲法上の複数条項を改正する内容であった。この改革案は裁判官と検察官のキャリアを分けることや、裁判所の統括機関である高等司法評議会(Consiglio Superiore della Magistratura、CSM)の機能を再編して監督機関を分離するなど司法制度の構造改革を柱としていた。これらの変更を進めるには憲法改正が必要で、議会で過半数の賛成は得たものの、改正に必要な3分の2以上の賛成には至らなかったため、国民投票が実施された。
メローニ氏は23日、「国民が決定を下した。我々は常にその決定を尊重する」と述べ、敗北を受け入れる姿勢を示した上で、任期を2027年まで全うする意向を改めて表明した。しかし、政権が推進力を失う結果となったことは否めず、与党内や連立を支える右派勢力に動揺が広がっている。
反対派は改革案が司法の独立性を損ない、行政府の影響力を強める危険性があると批判していた。この点を巡り中道左派の野党勢力は積極的に反対キャンペーンを展開し、広範な有権者の支持を集めた。民主党や五つ星運動(M5S)などの野党は今回の投票結果を歓迎し、今後も連携してメローニ政権に対抗する姿勢を強める構えだ。民主党のシュライン(Elly Schlein)党首はこの結果を「イタリア憲法の防衛」と位置付け、野党の結束を確認した。
今回の司法制度改革を巡る国民投票は、イタリアの司法制度への有権者の信頼や権力分立の在り方に関する広範な国民的議論を引き起こした。支持者は改革によって司法の効率性が向上し、制度の現代化につながると主張していたが、反対派は司法の独立性が損なわれることを強く懸念し、政府の影響力が増す危険性を強調した。この議論は投票率の高さにも表れており、特に若年層で反対票が多かったとの分析もある。
イタリア政治の専門家は、今回の国民投票結果をメローニ政権への信任投票と見る向きがあると指摘する。経済の停滞や物価上昇など国内の生活課題に加え、メローニ氏の外交政策、とりわけ米国との関係やイラン情勢への対応など外部環境に対する批判も政権支持率に影響を与えた可能性があるとの分析もある。
今後、メローニ政権は司法制度改革の見直しを含め、政策の再構築を迫られるとみられる。また、野党はこの結果を機に連携強化を図り、2027年の総選挙に向けた戦略を練り直す方針だ。今回の国民投票はイタリアの政治的潮流に大きな影響を与える出来事として国内外の注目を集めている。
