▽グロッシ氏は首都キーウのキエフスカ変電所を視察。ウクライナ当局者からロシア軍の攻撃で破損した変電設備は送電線の説明を受けた。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ(Rafael Mariano Grossi)事務局長は4日、ウクライナの変電所を視察し、ロシアによる送電網への攻撃により、原発事故のリスクが高まっていると警告した。
グロッシ氏は首都キーウのキエフスカ変電所を視察。ウクライナ当局者からロシア軍の攻撃で破損した変電設備は送電線の説明を受けた。
グロッシ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。原子力発電所への直接攻撃だけでなく、変電所やその他電力インフラへの攻撃によって、エネルギーシステム全体に混乱が生じ、原発事故につながる可能性があると指摘した。
「私はキエフスカ変電所にいる。ウクライナの電力網の重要な部分であり、原子力の安全にとって不可欠である」とグロッシ氏は書いた。「原発事故は原発への直接攻撃だけでなく、電力供給の途絶によっても起こりうる」
ロシア軍は原発への直接攻撃は避けているものの、3年間の侵攻中、変電所を含む多くの電力網を攻撃、破壊してきた。
グロッシ氏はウクライナ情勢とロシアの占領下にあるザポリージャ原発について協議するため、今週末にモスクワを訪問する予定である。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はビデオ演説でグロッシ氏とザポリージャ原発の状況について協議したと明らかにした。