自分の見た目が嫌...こうして受け入れることを学んだ
身体醜形障害(Body Dysmorphic Disorder、BDD)とは、自分の容姿に欠点があると強く信じ込み、その些細な欠点に過剰に固執する精神的状態をいう。
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多くの人が鏡に映った自分の姿に不満を抱くことがあるが、容姿への激しい嫌悪が日常生活を脅かすほど深刻になるケースもある。イギリスのミュージシャンであるシャーロット(仮名)が若年期に自らの容貌を強く嫌悪し、最終的にそれを受け入れるに至った過程を語った。
シャーロットは思春期の初めから自身の容貌に過度な不満を抱き、鏡の前で完璧を追求する行為を繰り返していたという。毎朝5時30分に起床し、スクールバスの時間を意識して早めに化粧を始め、対称性や完璧さを求めては塗り直すことを繰り返す日々が続いた。このような強迫的な行為は次第に日常生活に影響を及ぼし、学校生活や社交的な活動を回避するようになった。プロム(卒業舞踏会)にも出席できず、写真を撮られる場面さえ避けるようになった。やがて専門医の診断により、身体醜形障害(Body Dysmorphic Disorder、BDD)が認定された。BDDとは、自分の容姿に欠点があると強く信じ込み、その些細な欠点に過剰に固執する精神的状態をいう。
シャーロットの体験は、多くの若者が抱える容姿への不安と共通する側面を持つ。SNSや広告など現代社会の美の基準はしばしば非現実的であり、個人の身体イメージに大きな影響を与えることが指摘されている。こうした社会的圧力は、自己評価の低下、自己嫌悪、孤立感の増大など、精神的な負担を強める。
シャーロットは自身の経験を基にコンセプト・アルバムを制作し、過去の苦悩と克服のプロセスを表現した。この創作活動は、自己理解を深めると同時に、他者との共感を生む手段となったという。また、専門的な治療、認知行動療法、家族や友人の支援も回復に寄与した。専門家は、BDDの治療には心理療法や薬物療法を含む多面的なアプローチが有効であり、個々人が自分自身の価値を見出す過程が重要であると説明する。
シャーロットが語る「受容」は、単に容貌を好きになるという意味ではなく、欠点を完璧さの欠如としてのみ評価するのではなく、自身の全体性の中で位置づけ直すことを含む。また、自己への厳しい批判を減らし、他者との比較を避けることが精神的健康へとつながる。彼女は英BBCニュースのインタビューで、「完璧である必要はない」と述べ、他者や社会の期待に左右されず自分自身を受け入れることの重要性を強調している。
容姿に対する否定的な感情は誰にでも起こりうるが、それが日常生活を阻害するまでに至る場合、専門的な支援や自己理解の深化が必要となる。シャーロットの体験は、見た目に対する悩みと向き合い、自己受容へと至る一つの道筋を示している。
