◎EUの執行機関である欧州委員会は今月、加盟27カ国に対し、ウクライナとの加盟交渉を開始するよう勧告した。
ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相は18日、ウクライナがEUに加盟するのは「何光年も先の話し」と主張し、EU加盟国を困惑させた。
オルバン氏は与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」の総会で演説。来月中頃に予定されているウクライナの加盟交渉を正式に開始するかどうかを決める協議で「抵抗する」と誓った。
加盟交渉を開始するためには現加盟27カ国の承認が必要である。
フィデスは18日の総会でオルバン氏の党首再選を承認。同氏はその後の演説で、「今後数カ月はウクライナのEU加盟阻止が政府の最優先課題のひとつになるだろう」と主張した。
またオルバン氏は「ウクライナはEUから何光年も離れた場所にいる。私の仕事はウクライナの加盟交渉を開始すると主張するEU当局者の誤りを正すことだ」と述べた。
EUの執行機関である欧州委員会は今月、加盟27カ国に対し、ウクライナとの加盟交渉を開始するよう勧告した。
しかし、ウクライナ侵攻後もロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領と親密な関係を維持するオルバン氏は「拒否権を行使する」と警告。ウクライナが加盟すれば、EUの予算配分システムに支障をきたすと批判した。
一部の専門家はオルバン氏がウクライナの加盟交渉開始と引き換えに、欧州委員会が凍結しているハンガリー向けの予算数十億ユーロの解除を求める可能性があると指摘している。
欧州委員会はハンガリーの人権状況が悪化していることなどを理由に、加盟国に配分する予算の一部を凍結している。