◎EU加盟27カ国の中で最もロシア寄りとされるオルバン氏は他の首脳と何度も対立し、対ロシア制裁に度々反対してきた。
EUの輪番議長国を務めるハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相は15日、対ロシア制裁を継続すれば、EUの経済は破綻すると警告した。
EUは2022年2月にウクライナ戦争が始まって以来、ロシアのエネルギー、銀行、貿易、国営企業やその他多くの資産に制裁を科してきた。
EU加盟27カ国の中で最もロシア寄りとされるオルバン氏は他の首脳と何度も対立し、対ロシア制裁に度々反対してきた。
オルバン氏は15日の放送された地元テレビ局のインタビューで、「EUの制裁体制を見直すべきだ」と訴えた。
またオルバン氏はロシア産エネルギーへの制裁がEUのエネルギー価格を押し上げ、国民の生活に深刻な影響を与えていると強調した。
ハンガリーは現在、輪番議長国を務めており、その役割の中でロシアに対する制裁を重視していない。しかし、他のEU首脳は新たな制裁を検討中だ。
欧州議会は14日、制裁に違反してロシア産の石油を輸出して船舶に対抗措置をとる決議案を採択した。また議会は天然ガスを含むロシア産エネルギーの輸入全面禁止も求めている。
オルバン氏はこの禁止措置に反対しており、過去の制裁でも例外措置を利用して、ロシア産石油・ガスの輸入を続けている。
ハンガリーは国内で消費する石油の4割、ガスの9割をロシア産で賄っている。