ハンガリー首相、EUが「不快な」プライドパレードを仕組んだと主張
警察庁はプライドパレードの参加者に罰金を課す可能性があると警告。しかし、10万人を超える市民がパレードに参加し、警察の取り締まりを圧倒した。
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ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相は29日、首都ブダペストで28日に行われたLGBTプライドパレードを「不快で恥ずべきもの」と非難し、EU指導部が野党政治家にパレードの開催を指示したと主張した。
ブダペストの市長は先週、このプライドパレードについて、「市が主催するため、当局による許可は不要」と発表した。
オルバン政権はこれに猛反発し、警察庁に開催の是非を判断するよう命じていた。
連邦議会(一院制、定数199)は4月、与党フィデス・ハンガリー市民同盟が提唱するLGBTQ+(性的少数者)による公共イベントを禁じる憲法改正案を3分の2以上の賛成多数で可決した。
これは道徳的、身体的、精神的な発達に対する子供の権利が、平和的に集会する権利を含む、生命に対する権利以外のあらゆる権利を優先すると宣言している。
警察庁はプライドパレードの参加者に罰金を課す可能性があると警告。しかし、10万人を超える市民がパレードに参加し、警察の取り締まりを圧倒した。
オルバン氏は29日、支持者向けの保守的な内向きオンライングループ「ファイト・クラブ」でこのパレードに言及。EUの執行機関である欧州委員会が野党政治家と支持者を煽り、参加を呼びかけたと主張した。
ファイト・クラブのオーナーであるオルバン氏はEU指導部を非難し、「恥ずべきイベントを開催する野党政治家に政権を渡してはならない」と訴えた。
オルバン氏は発言の根拠を示していない。
このパレードはブダペスト市が主催。オルバン氏は長年、このイベントを「変態の集い」などと呼び、市長を「ブリュッセルの傀儡」と批判してきた。
与党フィデスは3月、反LGBTQ法を可決。18歳未満の未成年者に対する同性愛の「描写や宣伝」を禁止し、争点となっている児童保護法に違反するイベントの開催や参加を禁じた。
この法律により、「LGBTQコミュニティが主催するイベント」は開催できなくなった。警察は顔認識カメラを使って参加者を特定する権限も付与されている。
2026年の総選挙が迫る中、与党フィデスは世論調査で野党TISZA(尊敬と自由)に後れを取っている。