◎EU加盟交渉を開始するためには現加盟国による全会一致が必要である。
ハンガリー政府は11月30日、ウクライナのEU加盟に向けた協議を開始すべきという欧州委員会の提案を支持しないと表明した。
首相府の報道官は記者会見で、「戦争で荒廃したウクライナのEU加盟について正式な協議を開始するのは時期尚早である」と語った。
また報道官はEUの執行機関である欧州委員会に対し、「ハンガリーは現時点で、この提案に合意するつもりはない」と強調した。
欧州委員会は今月初め、ウクライナ政府が汚職を積極的に取り締まっていることなどを受け、加盟国に協議開始を認めるよう勧告した。
EU加盟交渉を開始するためには現加盟国による全会一致が必要であり、ハンガリーの民族主義者であるオルバン(Viktor Orbán)首相が最大の障壁になると予想されている。
オルバン氏はウクライナに敵対的な立場をとっており、ロシアの侵攻をめぐるEUの制裁に激しく反対し、ウクライナへの財政援助も保留してきた。