◎保守的なオルバーン・ヴィクトル首相は21日の記者会見で、「ハンガリーは国境を守り抜く」と誓った。
2021年12月15日/ブリュッセルのEU本部、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相(Johanna Geron/Pool/AP通信)

12月21日、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相は物議を醸している移民阻止政策を維持すると誓った

欧州司法裁判所は先月、亡命希望者を支援する弁護士や活動家などを取り締まるハンガリーの「ストップ・ソロス法」はEU法に違反していると裁定した。

ストップ・ソロス法の施行により、亡命希望者に対する支援は取り締まりの対象になり、命の危険にさらされている移民や難民はハンガリーに亡命できなくなった。

また欧州司法裁判所は昨年、ハンガリーは許可なく亡命希望者を送還し、希望者の権利を拒否し、希望者を南部の収容施設に拘留することでEU法に違反したと裁定し、厳しく非難した。

ハンガリーとEUを統括する欧州委員会は移民の庇護や亡命の扱いで激しく対立しており、欧州委員会は現在、ハンガリーに割り当てられたEU・コロナ回復基金約70億ユーロ(約9,000億円)を差し押さえている。

しかし、保守的なオルバーン首相は21日の記者会見で、「ハンガリーは国境を守り抜く」と誓った。「私たちは移民政策を維持します。EU裁判所が何を言おうと関係ありません」

オルバーン首相は記者団に、「私たちは国境管理の方法を変えないことに決めました」と語った。「私たちは国境を固く守り抜きます。誰も入れません...」

欧州司法裁判所の判決を無視すると、欧州委員会に多額の罰金を科される可能性がある。同委員会は今年9月、ハンガリーの主要な同盟国であるポーランドに100万ユーロの罰金を科した。

オルバーン首相はコロナ回復基金の差し押さえを「恐喝」と呼び、「欧州委員会に基金を差し押さえる権利はない」と非難した。「欧州委員会はとても残酷です。彼らはEUを崩壊させたいのでしょうか?私はこれほど無責任な政治を見たことがありません。ハンガリーはEU予算に資金を提供しています...」

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はハンガリーとポーランドの基金差し押さえについて、「民主主義と司法の独立を保障すると約束しない限り、年内の支払いはありそうにない」と述べ、両国を厳しく非難した。

しかし、オルバーン首相は、「EUは私の支持率を下げ、選挙で敗走させるために基金を押さえている」と応戦した。「差し押さえはEUの統一と将来を粉砕する最も残忍な行為です」

ハンガリーの次の総選挙は2022年4月または5月頃に実施される予定。

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