◎EUはロシアのウクライナ侵攻を支援するベラルーシに厳しい制裁を科している。
ハンガリーのオルバン首相(左)とベラルーシのルカシェンコ大統領(Getty Images)

ハンガリーのシーヤールトー(Peter Szijjarto)外務貿易相が29日、西側諸国の厳しい経済制裁で疲弊するベラルーシを公式訪問し、関係拡大について協議した。

シーヤールトー氏は外相会談後の記者会見で、「我々の立場は明確だ。制裁は無意味である」と主張した。

EUはロシアのウクライナ侵攻を支援するベラルーシに厳しい制裁を科している。

これは2020大統領選後の弾圧に端を発するものであり、ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領やその他政府高官、国営企業などが対象となっている。

最初の制裁発動から2年後、EUはウクライナに侵攻するロシア軍部隊に基地や武器を提供したとして、対ベラルーシ制裁を強化した。

シーヤールトー氏は「制裁は効かない」としたうえで、「ハンガリーは制裁の影響を受けない分野でベラルーシとの経済協力を進めている」と強調した。

またシーヤールトー氏は「協力関係を発展させるためなら、どんな支援も惜しまない。我々はオープンに話しており、何も隠していない」と述べた。

その後、両外相は人材育成と放射性廃棄物の取り扱いを想定した原子力協力に関する協定に署名した。

シーヤールトー氏はこう強調した。「この原子力協定は非常に重要です。この協定によって、ベラルーシが原子炉を建設する際に得た経験を、私たちが活用できるようになるのです...」

ハンガリーはロシアと協力し、原子炉を増設している最中だ。ベラルーシにもロシアが建設した原発がある。

ベラルーシ外務省は声明で、「ハンガリーが今年7月にEUの輪番議長国に就任することで、欧州が民主的で健全な方向に向かうことを期待する」と主張した。

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