ハンガリー野党TISZA、選挙公約で富裕税とユーロ導入を約束
世論調査では、TISZAの得票率がフィデスを8〜16ポイント上回るとのデータもある一方、親政府系の調査ではフィデスが優勢としている。
のマジャル党首(ロイター通信).jpg)
ハンガリーの最大野党TISZA(尊敬と自由)は7日、4月12日投開票予定の議会選挙に先立ち、240ページに及ぶ選挙公約を発表し、富裕税導入とユーロ通貨への移行を柱とする経済・改革政策を打ち出した。公約にはEU及びNATOとの関係強化策や公共サービスの抜本的改革案も盛り込まれている。
TISZAは中道右派を自認し、マジャル(Péter Magyar)党首の下でナショナリストのオルバン(Viktor Orbán)首相率いる与党フィデス・ハンガリー市民同盟に対抗してきた。マジャル氏は公約発表に当たり、汚職の根絶とEUから凍結されている巨額の資金を得るために必要な人権重視の政策を強調した。
公約の目玉の一つが富裕税の導入で、純資産が10億フォリント(約4.9億円ル)を超える個人については、基準を上回る部分に対して年1%の税を課すとしている。これにより累進性を高め、富裕層への課税を強化する狙いだとしている。公約には中央値以下の所得者に対する所得税の引き下げ案も含まれている。
またTISZAは通貨を現在のフォリントからユーロに移行する計画を掲げ、実行可能な導入時期を定めるとしている。これはEU統合を深化させ、為替リスクや貿易の一体化を進める狙いとみられる。
エネルギー政策では、2035年までにロシアからのエネルギー依存を断ち切ることを目標に掲げ、再生可能エネルギーの割合を2040年までに現状の倍に引き上げる方針を示した。エネルギー需要を賄うための原子力発電所建設も視野に入れるが、ロシアが建設を進めているパクス2原子力発電所プロジェクトについては、政権交代後に包括的な見直しを実施するとしている。
公約全体は「機能する人間的なハンガリーの基盤」と題され、医療、教育、福祉、児童保護、公共交通などの公共サービスを「直ちに抜本的に再編する」ことを掲げている。マジャル氏はビデオ声明で、これらの改革を通じて生活の質向上と国の競争力強化を図る意向を示した。
世論調査では、TISZAの得票率がフィデスを8〜16ポイント上回るとのデータもある一方、親政府系の調査ではフィデスが優勢としている。選挙戦は依然として流動的であり、どちらが政権を握るかは最終盤まで不透明な状況だ。
今回の選挙はオルバン政権にとって2010年の政権獲得以来最も厳しい戦いになると予想されている。
